30代女性。職業;会社員
身長150cm,体重45kg
お酒:○,タバコ:×
【悩み】
前日趣味の乗馬中、馬が急に暴れだし、落馬。
その後、嘔吐が続く。今は大丈夫だが、再発しないか不安。
右半身も打撲により痛い。骨は大丈夫だろうか?折れていないか?
【視診・問診・検査】
*表情は、穏やか。自力歩行可。会話もスムーズ。
*便通;大小便とも有り。
*当日は、ヘルメット着用。泥付き無しのため、頭部への直接打撃は無し。
*疼痛部には、冷湿布添付済み。
*本日は、嘔吐なし。
*睡眠;良好(背部痛無し)
*趣味;乗馬(これまで、落馬経験無し)
*既往歴;手術等も無し。
*書字;拡大縮小無し。
*血圧;110/58(脈拍62) ・・ 普段通り。
*右股関節;外旋時痛
*右肩関節;内旋時痛
*熱感;無し。
*疼痛部の音叉検査;疼痛の増大(-)
【方針】
「嘔吐」:脳への強い衝撃により、嘔吐中枢が刺激され、継続して
嘔吐する場合もあるが、
今回は一時的なものであった。原因は、一時的なショック
(交感神経亢進状態)によるものと考える。
理由は、下記のとおり。
ヒトは、自律神経(交感神経/副交感神経)により、カラダ全体のバランスをとっている。
リラックス状態(副交感神経優位)の時、体内ではゆっくりとした呼吸、
消化液の分泌、消化されたモノの吸収、心拍が減少する。
また、瞳孔の縮小、気道の狭窄、直腸・膀胱の括約筋の弛緩、男性性器の
勃起などもおこる。
しかし、落馬という急激な外部からの攻撃 により、自律神経
(交感-副交感バランス状態)が一気に交感神経亢進状態に移行した。
それにより通常、リラックス状態で消化・吸収されるべきモノが、急激な
興奮状態に変化したため、消化・吸収が後回しにされた(ストップした)。
よって、体内の消化物(吸収される手前のモノ全て)が邪魔になり
体外へ放出した(=嘔吐した)と推測。
こうすることでカラダは、外部からの攻撃 に対して、全精力を向けることができる。
薬品投与時にも、『退薬症候』という症状がおこりうる。
鎮痛や精神安定、催眠、呼吸抑制、鎮咳を目的として、
「morphine type(モルヒネ)」、
「barbiturates and alchohol type(バルビツール)」、
「cocaine type(コカイン)」、「cannabis type(大麻)」、
「hallucinogen type(LSD)」が投与されることがある。投与中は、
交感神経亢進状態から、リラックス状態(副交感優位)へ移行される。
しかし、急激に投与量を減らしたり、止めたりすると、薬により
押さえられていたものが 一気に交感神経 優位状態に移行することがある。
この例と同様とも言える。
会話はスムーズ。頭部への直接衝撃はない。睡眠時に問題はなし。
書字、正常。 これらより、「脳」への直接損傷は、概ねなしと推測。
便通正常より、「馬尾神経」は正常と推測。
安静時(睡眠時)痛み無し。音叉検査(-)より、骨には影響なしと推測。
これらより、本人は今もなお興奮状態である。
不安感を押さえることで、「自律神経」を普段状態(正常値)に戻す。
そうすることで、体内を普段どおりの状態に戻すことができると仮定。
(血圧も低めで安定。微小血管に関する危険も少ないと判断)
【施術】
まず、「会話」により、問診および『不安感』を取り除く。
(今、もっとも何に関心があるかを導く。)
旅行者の多くは、行程の最終日に疲れを取りにマッサージなどを利用する。
しかし今回の女性は、旅行初日。表情からは、あまり不安さは見えないが
やはり、よっぽど気になる精神状態であろう。
関心事は、「シュノーケリング」と「食事」。
秋冬にかけては、南の海岸の方が波は穏やか(東からの風が強い)。
ちょうど島の南海岸線には、美味しいデザートの食べられるお店が
並んでいる。
これらの会話のなかで、『不安感』はかなり消えてきた。
また、「骨折」に関する説明。
安静時、痛みがないため問題はないだろう、と説明。
・・ 表情が、和らいだ。
その後、施術。
内容は、『脳セラピー 』。これは、脳や脊髄といった大事な神経に不足
していた栄養素。
これを「脳脊髄液(リンパ液のようなもの)」の循環促進により、補う。
移動の疲れもあったのか、施術中はぐっすり。
旅行の帰りにも施術され、気分も上々で旅路を終えられました。
【分析】
落馬後、2日目と5日目。症状は徐々に好天に向かい、問診・検査による「仮説」は間違いは無かったと考える。
[落馬による強い衝撃・一時的なショック状態]
【指導】
今後、乗馬による「恐怖心」は残ると思う。プロテクタの着用も考えに
入れたい。もし、再度落馬した際も少しでも早く「不安感」を取り除くため
すぐに検査を行い、不安感を取り除く。そうすれば、
快適な日々を過ごすことができるから。
また今後、嘔吐など症状の変化があれば、すぐに脳内の検査(CT、MRIなど)
も忘れずに。
※ 注意:この【施術】法は万人向けではありません。
⇒ このように当院では、個々人に合わせて【施術】法を選択しますので、施術前には必ず【問診】【検査】そして、【施術】法の確認(説明・合意)を行います。
この内容についてご不明な点は、電話などでお尋ねください。
症状の悪化を未然に防ぐために、医療機関でのレントゲン/血液・尿検査も併用しています。
イラストは、『馬グッズのホースシューHP』より
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